コラム

「怒り」と共に 生き生きと生きるために

最近「怒り」について考える機会を与えられました。

ワンポイントアドヴァイスにも書いてある通り、生き生きとした毎日を送るために、喜怒哀楽の感受性を豊かにすることはとても大切です。

しかしながら、そのひとつ「怒り」はとても厄介な感情です。
メラメラ燃え上がり易く、暴走する危険が有るからです。
そうなると、身近な人を傷つけてしまうことも有ります。大事な人間関係を壊してしまうかもしれません。仕事を失うことだって起きるかもしれません。
怒りが内側に向かうと、自分自身を傷つける結果になります。

しかし一方怒りは人の生きる原動力でもあります。
怒りを感じることで、自分を向上させ、問題を克服し、 社会の不正と闘ったりできるのです。
怒りを昇華して芸術を生み出せたりもします。

ですから、怒りを一方的に厄介もの扱いをし、押さえつけたり、無かったものとみなそうとすると、生きるエネルギーを健全とは逆の方向に閉じ込めていくことになります。そうやって心の内でくすぶった怒りは、何かの拍子に炎をあげるかもしれません。また怒りを抑えることで、他の感情(喜・哀・楽)にも、自由に活発に活動できないようにふたをしてしまいます。
こうした心の状態が持続すると鬱的傾向になっていきます。
生き生きとした自分から遠のいていくのです。

怒りをどうしようもないほどに強く感じた時、それは自分自身の状況を見極め、自分の思考の傾向を見つめ直す良い機会かもしれません。

1)自分が強く感じた感情の状況をできるだけ詳しく考察してみる。
2)その時自動的に浮かんだ考えを文章にしてみる。
3)その考えは妥当かどうか検証し、よりバランスのとれた考えを導き出す。
4)怒りが正当なものであれば、どのように解決していけばよいか、何かその時点で自分ができる行動は無いか検討する。
5)どんな小さいことでも実行に移してみる。

行動が現実を少しずつ変えていけると感じるなら、自信の回復になり、状況の改善にもなります。
以上は、認知行動療法からの簡単なヒントです。

怒りをコントロールしながら、自分の生き方を積極的なものにしていくためには、専門家の助けが有効だと思います。専門的な立場で一緒に考え、一緒に悩み、見守てくれる人がいれば、心強く着実に進めることができます。

父、母に対して、兄弟姉妹に対して、夫、恋人に対して、友人に対して、上司、同僚に対して、先生に対して、格差社会に対して、無責任な政治、行政に対して、自分に対して、そのほかいろいろなことに関して、強い怒りを感じ、心の健康を損ね悩んでいる方は、カウンセリングの扉を叩いて下さい。

生き生きとした人生を取り戻すチャンスかもしれません。

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